前回の記事にて、スペインのジプシーミュージック(ロマ音楽)要素の強いバンドBarcelona Gipsy Klezmer Orchestra(バルセロナ・ジプシー・クレズマー・オーケストラ)をご紹介いたしましたが、今回は更にジプシー色の濃い、トルコのイスタンブールを拠点にイスラエルなどの中東~欧州の国々で精力的に活動中のLight in Babylon(ライト・イン・バビロン)という最近特にお気に入りのバンドをご紹介。



先ずは「Bursa'nın Ufak Tefek Taşları(トルコ語で「ブルサの小さな石」)」から。冒頭からいきなり日本でお目にかかることがない民族楽器が登場。箱内に張ってある弦をスプーンのようなもので叩き、不思議な音色が奏でられ、楽曲が始まります。「何じゃこりゃ?!Σ(゚д゚ノ)ノ」と思い、調べた結果、こちらの民族楽器は「サントゥール」と呼ばれる鋼鉄製の弦を木の棒で叩いて演奏する打弦楽器とのこと。ペルシャやトルコの宮廷を連想するようなオリエンタルで美麗な音色ですよね。そして、ボーカルの女性のエモーショナルな熱情と、悲哀を感じさせる歌声と表情、衝動のままに踊る立ち振る舞いが、正にジプシーの女性といった印象で、とっても素敵です。因みにボーカリストのMichal Elia Kamal(マイカル・エリア・カマル)嬢がイスラエル出身。サントゥール奏者の束が太めドレッドで丸顔&丸眼鏡の方がMete Çiftçi (メテ・チェフチェ)氏でトルコ出身。ギタリストの無造作ドレッドのJulien Demarque(ジュリアン・デュマー)氏がフランス出身という構成。主軸はこの御三方。ベーシストやパーカッションの方などはサポートメンバーかな?



続きましては「Baderech El Hayam」です。楽曲名はスペイン語?ラテン系の単語混じり?現状、正確な言語が不明で、訳も解らないためオリジナルのまま表記いたします。こちらもお気に入りの楽曲です。怒涛の如く押し寄せてくる哀愁感が堪りません。そして、幾重にも絡みついてくるサントゥールの音色が非常に癖になります。パーカションも好い味だしています。マイカル嬢のパワフルさや、巻き舌具合も小粋で好い感じです。



お次はこちらの「Istanbul(イスタンブール)」です。上記でご紹介した先述の楽曲と比較すると、流麗なメロディーの楽曲のため、粘りっこさのような部分は薄めかなと思います。

世界史をご存知の方は「んなこたぁ知っているよ!」というお話になりますが、現在イスタンブールと呼ばれているこの都市は、15世紀にトルコ系のオスマン帝国が攻略支配する前は、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都で、「コンスタンティノープル」と呼ばれていました。ゆえにギリシャ色、東欧色の名残が随所に垣間見えつつも、イスラム色に塗装されている感じが何ともエキゾチックで興味深いなと思うのです。

今ではインターネットを通して、それまで縁もゆかりもなかった国の文化の情報を掴み、遠く離れた土地に住む人間であっても、このように自由気ままに情報を発信できてしまえる良い時代になりました。それでも、自ら追い求めないと、東欧や中東辺りの興味深い文化の情報などは、まだまだこちら(日本)にはさほど入ってこず、縁遠く感じてしまうような距離間はあると思います。音楽の市場が活発なのが、ほぼUS、UKそれとアジアでは日本辺りなのかなと思うので、その辺りは致し方ないかなとも思います。そういう意味でも、ここで与えられたものだけ享受する姿勢のままでは、まだまだ出会いにくい(=興味を持ちにくい)文化圏なのかなと。このブログ内の記事が、その縁遠く感じていた国々や地域の文化に触れるきっかけとなり、僅かでもそこに住む方々へ親近感が抱けたり、触れた文化などに対して面白いなと思って頂ける一助となれば、嬉しい限り。おっと…「さくっと音楽動画紹介ブログ」のスタンスで薦めつつ進めているつもりが、主題から逸れたことをつらつらと書き連ねてしまいました(笑)ということで閑話休題。



ダンスミュージックへのリミックスも好い感じです。無機質な電子音楽に生命力のある歌声や民族楽器の土臭い暖か味のある音色が加わることで絶妙な味わいになりますね。



今回の記事の締めはこちら。はい。ジョン・レノン氏の言わずと知れた名曲「Imagine(イマジン)」のカバーです。こういう試みも面白い。オリジナルにあまり寄せずに、尚且つ自分たちの持ち味も活かせていると思います。笑顔を垣間見ると実はキャッチーで人当りの良い3人なのだなと。印象がだいぶ変わりますよね。主に他楽曲では険しい表情でギターを弾いているジュリアン氏。君のことだよ( ´艸`)それとマイカルたんの動作や、トルコ語もしくはヘブライ語訛り風味の英語の発音がとっても可愛ゆいっ!!d(´∀`*)

以上です。ご閲覧、ご視聴ありがとうございました!それでは、また。